糖尿病
糖尿病
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの作用が不十分なために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が正常範囲を超えて高くなる病気です。糖尿病は4つのタイプに分類され、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものがあります。日本人では2型糖尿病が圧倒的に多く、その発症にはインスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣が関係しているといわれています。
糖尿病は初期症状が乏しく、目立った症状が現れることなく進行することが多い病気です。口渇(のどが渇く)、多飲(のどが渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることもあります。さらに、病気が進むと三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を発症して、末期には失明したり、透析治療が必要になったりすることもあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性も高まります。そのため、早いうちから、血糖値をコントロールすることが大切なのです。
糖尿病の診断は、症状の有無、ヘモグロビンA1cの値、血糖値を総合的にみて診断していきます。
ヘモグロビンA1c(HbA1c) | 血糖値が高くなるとブドウ糖が赤血球の中のヘモグロビンと結合します。これがヘモグロビンA1cと呼ばれるもので、血糖値が高いほどヘモグロビンA1c値も大きくなります。過去1~2か月間の血糖の状態を示す値で、糖尿病の合併症の進行と深く関係しているとされています。 |
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早朝空腹時血糖値 | 8時間以上絶食後の早朝に採血したときの血糖値。 |
随時血糖値 | 食事の時間と関係なく採血したときの血糖値。 |
糖尿病の予防、あるいは進行を遅らせるためには、生活習慣を見直すことが大切です。糖尿病の発症を未然に防ぐ1次予防、発症したとしても血糖コントロールを良好に保つ2次予防、さらに合併症の発症を回避する3次予防、これらはすべて生活習慣の改善が重要となります。
主に若年層に発症し、膵臓のインスリン分泌細胞が自己免疫反応により破壊されるため、インスリンがほとんど分泌されなくなります。治療にはインスリン注射が必須です。
主に成人に発症し、インスリンの分泌不足とインスリン抵抗性が関与しています。治療には生活習慣の改善、経口薬、場合によってはインスリン注射が用いられます。
妊娠中に初めて発見される糖尿病で、出産後に通常は改善しますが、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高まります。
特定の疾患や薬物の副作用、遺伝的要因などによって引き起こされる糖尿病です。例えば、膵臓の疾患やホルモン異常が原因となることがあります。
健康的な食事を心がけ、糖質の摂取をコントロールします。
定期的な運動を取り入れ、体重管理を行います。
メトホルミンやスルホニルウレア、DPP-4阻害剤などが使用され、インスリン抵抗性の改善や血糖値のコントロールを行います。
食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。
腎臓での糖の再吸収を抑え、尿中に糖を排泄させることで血糖値を低下させます。
経口薬だけでは血糖コントロールが難しい場合や、進行した糖尿病ではインスリン注射が必要です。当院では持効型インスリンを処方しています。追加のボーラス治療、強化療法については専門医に紹介しています。
BOT療法は、経口糖尿病治療薬と、1日1回の持続型インスリン製剤を追加する治療法です。1日1回の注射でライフスタイルに併せて注射できるので導入しやすく強化療法と比較し低血糖のリスクが低いです。
糖尿病の治療の目的は心筋梗塞などの血管病を発症させない為の管理です。循環器内科専門医として予防医療には力を入れてきました。整形外科などの併存疾患が多い患者様は当院での治療もご相談頂ければ一緒に診療させて頂きます。
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