ハイドロリリース
ハイドロリリース
ハイドロリリースとは、比較的新しい治療法で、筋膜リリースとも呼ばれています。名付け親である皆川洋至氏(城東整形外科診療部長)や白石吉彦先生(隠岐の島島前病院・院長)の講演活動により急速に広まっている治療です。当院の院長は皆川先生にその技術を学び、副院長は隠岐島に1か月住み込みで白石先生にその技術を学びに行きました。
筋膜リリースは、筋膜とよばれる筋肉を包んでいる膜で、この膜と筋肉がくっついて固まってしまった状態になると、筋肉の動きが悪くなり、痛みやコリの原因となります。
この固まってしまった筋肉と膜を剥がすことを目的とした治療をハイドロリリースといいます。例えばギックリ腰、肩こり、拘縮肩など日常生活に直結する問題の解決法として注目されています。この治療が注目されるまでは湿布やロキソニンなどの痛み止めでしか対応できていなかった分野です。
ハイドロリリースは、超音波検査機(エコー)で注射針を見ながら「生理食塩水」と呼ばれる人体に使える水とわずかな麻酔を痛みがある部分に直接注射して薬を入れていく注射療法です。
固まっていた筋肉と膜が剥がれ、固まっていた筋肉が柔らかくなると、痛みといった症状が改善することが期待されます。
最近では、神経も同じように治療をすることで、痺れも解消できる効果が確認されています。また、この治療法で症状が改善することができれば、痛みの原因を見つけることも期待されます。
ハイドロリリースは結局一時的な効果ではないか?と質問されますが、一回の注射でそのまま治ってしまう患者様も多くお見受けします。感覚としては4割程度の患者様が1回で完治、3割は痛みの程度が10→6→3→1点と複数回の注射で改善する印象です。
残りの3割は、ハイドロリリースにより一時的に痛みがなくなったとしても、今までの生活習慣や身体の使い方を変えることがなければ、症状は今までの同じように繰り返し現れてしまいます。
そのため、ハイドロリリースだけで痛みを改善するのではなく、運動やリハビリなど取り入れることで筋肉をつけ、再び同じ症状が出てこないようにする必要があります。
当院では理学療法士と積極的に情報共有を行い治療の改善を図っています。理学療法士さんから患者様のこの部位のハイドロリリースをして欲しい、とオーダーされることもあります。もちろんドクターの評価の上、治療部位を決定しますが拘縮肩には大きな治療効果を感じています。
痛みを治療する診療科である多くのペインクリニックで受けられる「痛みを改善するための注射」は、麻酔剤や鎮痛剤という薬が含まれています。
ハイドロリリースの場合、筋膜や神経とそれを包む膜を剥がす目的で使われているため、「生理食塩水」を注射します。
そのため、今までの痛み止めの注射と違い、副作用のリスクや身体への負担が比較的少ない治療法であると言われています。また薬剤ではないので妊婦さんや授乳婦さんにも可能です。
「肩が痛い」「腰が痛い」といった症状はありませんか?
ハイドロリリースは、筋肉や神経とその膜が固まっていることで痛みが出ている場合に、治療することで痛みが改善されることが期待されます。
その他にもこのような症状の方はご相談ください
超音波検査(エコー)では、筋肉とそれを包む膜を正確に確認することができます。
患者様の痛みの部分をリアルタイムに画像と一緒に確認できるため、正確に注射で薬を入れる場所を決めることができます。
また、痛みのある部分に直接薬をいれるので、早い段階での痛みの緩和が期待されます。
使用する薬液は、生理食塩水を使用しているため、アレルギー反応や副作用といった心配がなく患者様自身の体への負担が少ないです。先述の通り妊婦や授乳婦にも行えるメリットがあります。
治療は注射で行うため、痛みが伴い、出血や腫れを起こす場合があります。
また稀ではありますが、注射部位から感染を引き起こしてしまうこともあります。
その他には背中や頸部などの肺に近い部位では気胸の合併症の報告、神経リリースの場合は神経の痺れなどがあります。
しかしこれらは整形外科クリニックで日常的に行われているトリガーポイントなどの痛み止め注射にも言えることです。エコーで血管や肺、神経と針先の位置関係を確認しながら処置を行っておりそれらの注射よりも合併症のリスクとしては少ないと考えています。また当院では25〜27Gという非常に細い針を使用していますので刺入時の痛みは少ないと言われます。
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問診・診察から、患者様の痛みの原因となっている筋肉・筋膜、神経の部分を見つけていきます。
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痛みのある部分に実際に超音波装置(エコー)を当て、原因となっている部分を画像で見つけていきます。場所が特定できたら注射をする位置を決めます。
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画像を見ながら、注射の針先を原因となっているところにもっていき、生理食塩水を注入していきます。リアルタイムに画像で確認できるので、より正確に治療を行うことが期待されます。
薬を注入したあと、特に体に異常がなければそのままご帰宅することができます。
また、ご帰宅後に安静に過ごすというような制限は特にありません。
初回保険適用 | 1,000〜2,000円 |
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2回目以降、自費の場合 1箇所自己負担 | 3,000〜4,500円 |
*今後保険適応となる可能性もあります。そうなればより多くの患者様の痛みの治療をできるのではないか、と期待しています。
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