整形外科
整形外科
整形外科は、運動器を構成するすべての組織(骨、軟骨、筋、靭帯、脊髄、神経など)の疾患や外傷を治療する診療科です。打撲・捻挫・脱臼・骨折などの外傷、肩こり・腰痛・膝痛など日常的によくみられる身体の痛みや違和感を扱います。また、加齢に伴う変形性の骨・関節疾患や骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、運動器の腫瘍・先天性疾患などの診療も行い、その内容は多様です。リハビリテーション医学とも密接に関係しています。
当院では、小さなお子さんからご高齢の方まで、すべての年齢層の患者様を診療いたします。体のどこかが痛い、事故でけがをした、しびれや痛みで手足が思うように動かせないといった症状や、運動器についてのお悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。
運動器疾患を診察する際に超音波装置は必須となっています。レントゲンでは骨組織、関節の所見は得られますが、筋肉・血管・神経といった組織は撮影されません。当院では超音波装置を使うことでその弱点を補い診断に駆使しています。治療でも痛み止めを打つ場合、より正確な位置に打つことができ多用しています。
患者様のお悩みを親身になってうかがいながら、健やかでイキイキとした生活を取り戻すお手伝いをします。何でもお気軽にご相談ください。
直接ものが当たって骨折する場合と捻挫の様に靭帯が引っ張られて剥離骨折(裂離)を起こす場合があります。転倒に伴う骨折は骨粗鬆症の合併が多く精査が必要です。手をついて手関節が腫れている、踏み外して足関節が腫れるのはよくある骨折で橈骨遠位端骨折、腓骨骨折を疑います。その場合は6週前後のギプス固定が必要になりますが生活にできるだけ不自由がない様に当院ではそのままお風呂に入れるギプスを使用しています。
手首の母指(親指)側にある腱鞘(けんしょう)と、その部分を通過する腱に炎症が起こりスムーズに腱が動かなくなった状態をいいます。治療は、局所の安静、投薬(漢方)、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法が行われます。
首のつけ根から肩、あるいは背中にかけて張る、凝る、痛いなどの症状があり、重症な方では腕の痺れを伴うこともあります。連続して長時間同じ姿勢をとる、首・背中が緊張するような姿勢での作業、姿勢が悪い人(前かがみ・猫背)が原因となります。当院ではひどい肩こりに対してハイドロリリースや理学療法での姿勢指導なども行っています。
中年以降、特に50歳代に多くみられます。関節が老化し、肩関節の周囲に炎症が起きることが原因と考えられています。自然に治癒することもありますが、ときには強い痛みで目が覚めたり、関節が癒着して動かなくなることもあります。急性期にはまず肩への注射が有効です。急性期を過ぎてからは温熱療法、また拘縮予防や筋肉を強化するための運動療法を行います。当院ではハイドロリリースによる拘縮の解除や理学療法を積極的に行っています。それでも可動域が悪い患者様に対してはサイレントマニュピレーションを行っています。
腰痛の多くは、腰椎に負担がかかることで発症しますが、様々な病気が背景になってることもあります。成長に伴って起こるもの(側弯症、腰椎分離症など)、加齢によって起こるもの(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、変性すべり症など)、腰椎の骨折や脱臼などの外傷、転移癌などがあります。安静時の痛み、持続、時間とともに増強する痛み、発熱を伴う、足がしびれたり力が入らなかったりなどの症状がある場合は、重症な疾患を考えますのでお早めに相談ください。
突然起こる強い腰の痛みで、何かを持ち上げようとしたときや腰をねじる動作をしたときに起こることが多く、場合によっては動けなくなってしまうほどの激痛が現れます。痛みの原因は様々ですが、腰が動く関節部分や軟骨(椎間板)に許容以上の負荷がかかり、捻挫や椎間板損傷が生じる、腰の筋肉や腱・靱帯などの軟部組織の損傷、などが多いと考えられます。当院では動作分析の上、原因となる部位を見定めてピンポイントにエコーで注射を行っています。鑑別としては下肢の痺れや痛みなどの症状がある場合は、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを疑います。
症状としては腰やでん部の痛み、下肢にしびれや痛みが生じます。足に力が入りにくくなることもあります。背骨が横に曲がってしまい、動きにくくなったり、重いものを持ち上げると強い痛みが出たりすることもあります。治療は強い痛みがある時期は、神経ブロック(炎症を抑える薬剤の注射)などで痛みを緩和し安静を心がけ、コルセットを装着します。
関節症は、使いすぎ、体重負荷、外傷などをきっかけに、関節表面の軟骨磨耗が生じ、それが進行して発症します。高齢者になるほど罹患率が高く、主な症状には膝の痛みと水がたまることがあります。進行するとその痛みが強くなり、持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)が出現するようになります。軽度の場合、ヒアルロン酸の注射をしたりします。重症の場合は高位脛骨骨切り術(骨を切って矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。変形性股関節症は、初期には立ち上がりや歩き始めに足の付け根に痛みを感じます。
特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行です。腰痛は強くなく、安静時にほぼ症状はありませんが、立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが生じて歩きづらくなりますが、前かがみになったり、腰かけたりすると痛み・しびれが軽減します。脊柱管狭窄症は、加齢、労働などによって変形した椎間板と、突出した骨などにより、神経が圧迫されることによって起こります。
骨粗鬆症は、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる状態をいいます。骨折を起こすと身体機能の低下をきたし、生活の質が低下し、寝たきりになる場合もあります(最近では脳卒中とかけて骨卒中と呼ばれています)。女性ホルモンの低下とかかわりが深いといわれていますので、40代以降の女性では早めの骨密度検査をお勧めします。
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